全国の裁判員裁判で、遺体の写真など衝撃的な証拠の採用を控える傾向が強まっている。裁判員の心理的負担を軽減しようと裁判所が配慮しているためだ。これに対し、遺族や被害者側には「事件の本質を知ってほしい」と採用を求める意見が根強く、裁判員への過剰配慮が裁判員制度そのものを形骸化させるとの懸念もある。福井地方裁判所(地裁)では今後、複数の殺人事件の審理を控えており、裁判官がどのように証拠を取捨選択するか注目される。
■発端は国賠訴訟
昨年11月に福井地裁であった、福井市の強盗致傷事件の裁判員裁判。初公判前に争点と証拠を整理する「公判前整理手続き」で、被害男性の顔写真を裁判員に示すか否かが議論となった。検察側は採用を求めたが、3人の裁判官は不採用とした。同手続きには裁判員は参加しない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150819-00010000-fukui-l18
確かに裁判員裁判では、法律上採用される証拠をそこからさらに裁判員向けにわかりやすく不要な点について省略して証拠化することが多い。
しかし、ご遺体の写真について(法律家は遺体を「遺体」というが裁判員対策として「ご遺体」とよぶ。)、省略してしまうと、事件の本質を裁判員が理解できないのではないだろうか。
もちろん被告人側としては、凄惨な写真が省略されて裁判員の心証が悪化することが回避できてありがたいのかもしれないが。
原則として生の写真が必要だ。ただ、あまりにも凄惨なものについては、例外的にイラストで代替するという運用がいいのではないだろうか。
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