日本年金機構に土地と建物を差し押さえられた「出雲須佐温泉ゆかり館」(出雲市佐田町原田)を運営している地元のスサノオドリームが破産手続きに入ったことが22日、分かった。関係者によると、負債総額は1億円を超えるという。休業中の施設が再開する見通しは立っておらず、住民からは不安の声が漏れた。
【日本年金機構が差し押さえ】休業中の「ゆかり館」 経営者と連絡取れず 出雲の宿泊温泉施設
22日にあった定例会見で飯塚俊之市長は「スサノオドリームが8月14日付で破産手続きに入っていることの情報を入手している」と明らかにした。一方で「事実確認をしている段階で、何ができるか分からない状況だ」とも述べた。
スサノオドリーム(出雲市佐田町原田)は、地元住民らで起業。2018年4月に出雲市からゆかり館の経営を引き継いだ。
ゆかり館をめぐっては、今年5月14日に土地(4027平方メートル)と建物(延べ床面積3093平方メートル)を日本年金機構が差し押さえた。同社の30代男性社長が3月末以降、連絡がとれなくなっており、社会保険料滞納の可能性が指摘されている。
同社は23年5月、老朽化したボイラーや配管設備の改修工事のため、温泉施設の利用を休止。同12月には工事のため宿泊や館内の飲食施設も休業している。
同社は施設のリニューアルに観光庁の補助事業を利用。23年度分は工事の実績に基づき補助金が交付された。額は明らかにしていない。24年度分は同社が国に直接辞退を申し出たという。補助金の取り扱いについて、市は今後観光庁と協議し対応を決める。
町内在住の株主の男性は「まずは説明してほしい。イベント時に活用し、住民の宝だったのでもう一回やり直してほしい」と訴えた。
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