青森県弘前市で老舗百貨店「中三」を運営する企業が、青森地裁弘前支部に破産手続きの開始決定を申し立て、決定を受けたと発表しました。負債総額は現時点で約9億円としています。
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中三は、1896年に五所川原市で呉服店として創業し1954年には株式会社化して百貨店の経営に乗り出しました。
1962年の弘前店の開業を皮切りに青森市や五所川原市など県内のほか、岩手県や秋田県にも進出していました。1998年8月期には415億円の売上を計上していました。
ただ、ショッピングセンターとの競争激化などによる規模の縮小などのため2010年ごろには売り上げは185億円まで減少し、東日本大震災の影響で盛岡店が休業に追い込まれた翌年には民事再生手続きを申し立て投資ファンドのもと事業の再建を図っていました。
しかし、その後も他社との競合で売上が伸び悩んだ上、新型コロナの影響で業績の悪化が進行していました。
このため、事業継続が困難であると判断し、中三は29日付で事業を停止するとともに青森地裁弘前支部に破産手続きの開始を申し立て、開始決定を受けました。
負債総額は現時点で約9億円としています。
■発表された「破産手続開始の申立ておよび決定に関するお知らせ」
ほぼ全文
株式会社中三 (以下「当社」といいます。)は、明治29年、青森県五所川原市で屋号 を「中三」とする呉服店として創業し、昭和29年以降、現在の「株式会社中三」の商号 の下、百貨店業を営んでまいりました。当社は、東北を中心に郊外型百貨店事業を展開し、平成10年8月期には約415億円の売上を計上するに至りましたが、平成22年頃には、郊外型ショッピングセンターとの競争激化により、規模の縮小、店舗集約等を余儀なくされ、売上は185億円ほどまで減少することとなり、かかる状況の中、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、盛岡店が休業に追い込まれるなど重大な影響を受け、同月30 日には民事再生手統開始の申し立てを行うに至りました。
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