インターネットバンキング用の他人のID、パスワードを使って不正に銀行にアクセスしたとして、警察庁サイバー特別捜査部と警視庁など16都道府県警の合同捜査本部は9日、無職の男(44)を不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕し、発表した。不正送金グループのリーダーとみている。
ネットバンキングの不正送金の被害は深刻化しているが、捜査で犯行グループの指示系統をたどるのは難しく、首謀格を含むグループ全体の摘発は極めて異例。捜査本部は、このグループによる被害は2022~23年に複数の銀行で少なくとも20件以上、総額約1億2千万円以上あるとみて、電子計算機使用詐欺容疑などでの立件も含め全容解明を進める。
グループは10人 役割を分担
逮捕されたのは矢野洋平容疑者。捜査本部によると、逮捕容疑は23年1月29日、神奈川県の60代男性のネットバンキングのID、パスワードを使って大手銀行のサーバーに侵入したというもの。認否は明らかにしていない。
グループは少なくとも10人で構成。不正送金の実行役、他人のスマートフォンを乗っ取ったり暗号資産の口座を作ったりする役など役割を分担していた。被害金は銀行口座から暗号資産取引所の口座に不正送金されていた。矢野容疑者とメンバーらは「闇バイト」などSNSを通じて知り合っていた。(編集委員・吉田伸八)
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