2024年7月27日土曜日

元衆院議員で弁護士の今野智博容疑者を逮捕、名義を貸し詐欺被害者から5億円の着手金を集めた容疑

 特殊詐欺などの被害金回収をうたい、弁護士名義を貸して無資格者に法律事務をさせたとして、警視庁は13日、元衆院議員で埼玉弁護士会所属の今野智博容疑者(48)(埼玉県深谷市)を弁護士法違反(非弁提携)容疑で逮捕したと発表した。仲間の男女10人も同法違反(非弁活動)容疑で逮捕し、昨年9月以降、全国の詐欺被害者約900人から計約5億円の着手金を不正に集めたとみている。

今野智博容疑者
今野智博容疑者

 発表によると、今野容疑者は昨年12月~今年1月頃、自身の弁護士名義を仲間の男女10人に貸し、詐欺被害金の返還請求手続きを助言させた疑い。10人は同時期、弁護士資格がないのに詐欺被害者の男女5人から着手金計約280万円を受け取った疑い。

[PR]

 今野容疑者は、自身の法律事務所のホームページで、被害金回収に向けた無料相談に応じると宣伝。相談業務は10人が担い、今野容疑者の名義で被害者と委任契約を交わしていた。

 警視庁は、今野容疑者らが被害金回収の見込みがないのに、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺などの被害者から、1人当たり数十万円~数百万円の着手金を受け取っていたとみて調べている。今野容疑者はこのうち約1割を名義貸し料として受け取っていたという。

 今野容疑者は2005年10月に弁護士登録。12年12月の衆院選で埼玉11区に自民党から立候補し、比例復活で初当選した。自民党青年局次長などを歴任し、17年10月の衆院選で落選するまで2期務めた。

 弁護士法は、弁護士が名義を無資格者に貸す「非弁提携」、弁護士資格がないのに報酬目的で法律事務を行う「非弁活動」をそれぞれ禁じている。詐欺の被害金回収は法律事務にあたる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

/*ツイッター用*/