2024年7月24日水曜日

男女90人逮捕 「SNS型投資詐欺」大阪拠点の2グループ摘発

 2024年7月24日 18時54分 


SNSで投資に関する商材の購入などを持ちかけ、現金をだまし取ったとして大阪に拠点を置く2つのグループが摘発された事件で、警察はこれまでに男女合わせて90人を詐欺などの疑いで逮捕しました。関係先の捜索では、1800台余りのスマートフォンなどが押収されていて、警察がグループの実態解明を進めています。


大阪 中央区と西区のビルに拠点を置く2つのグループについて、大阪府警察本部は23日、SNSを通じて20代の女性などに投資に関する商材の購入などを持ちかけ、現金をだまし取ったとして詐欺の疑いで一斉摘発を行いました。


2つのグループは為替相場などが高くなるか低くなるかを二者択一で予想する「バイナリーオプション」と呼ばれる金融商品を勧めるなど手口がよく似ていて、警察は何らかの接点があるとみています。


この事件で、警察はこれまでに、大阪 浪速区の自称行政書士、島内大起容疑者(40)や、大阪 淀川区の職業不詳、高嶋恭平容疑者(24)ら19歳から45歳までの男女合わせて90人を詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕しました。


警察によりますと、2つのグループはSNSで若い女性などを装って被害者とやり取りしていたとみられ、ブランド品の画像を投稿するなどして投資で利益が出たかのように見せかけていた疑いがあるということです。


関係先の捜索では合わせて1800台余りのスマートフォンやマニュアルなどが押収されたということで、警察は被害額は合わせて10億円前後に上る疑いがあるとみてグループの実態解明を進めています。


逮捕された90人の認否については明らかにしていません。


摘発された2つのグループとは

警察によりますと、今回摘発された2つのグループは大阪 中央区と西区にある4つのビルを拠点にしていました。


合わせて10の部屋が確認され、室内にはそれぞれ長い机といす、それに大量のスマートフォンがあったということです。


逮捕された90人のうち、島内容疑者らのグループが11人、高嶋容疑者らが所属するグループが79人で、警察はこのうちの大半が被害者とスマートフォンでやり取りする「打ち子」と呼ばれる役割だったとみています。


メンバーはほかにもいて、全体で合わせて100人ほどの規模とみられるということです。


2つのグループやメンバーの関係性はまだ分かっていませんが、一部のメンバーは「稼ぐことができる」と知人を誘うなど、いわゆる口コミを通じて集まったとみられています。


また、2つのグループは手口がよく似ているほか、両方のグループの拠点の捜索で同じような内容のマニュアルも押収されたということです。


不特定多数の人にDM 興味示した人とやり取りし投資勧誘か

警察によりますと、2つのグループは、いずれもSNSで不特定多数の人にダイレクトメッセージを送り、興味を示した人と個別にやり取りして投資の勧誘などを行っていました。


この中では若い女性などを装っていたとみられ、SNSのアイコンには女性と白い犬が一緒に写った写真などが使われていたということです。


被害者の1人の20代の女性は、メッセージが送られてきた若い女性とみられるアカウントをフォローしましたが、このアカウントを閲覧したところ、ブランド品のバッグやいわゆる「SNS映え」する料理の画像などが次々に投稿されていたということです。


さらに、「バイナリーオプション」と呼ばれる金融商品への投資で利益を出し、ぜいたくな暮らしをしているという内容の投稿もあったということで、被害者の女性は「投資で利益が出れば生活に余裕ができ、好きなことができるとうらやましく思った」と話しているということです。


もともと投資に興味があったという女性はその後、アカウントの人物と連絡をとるようになりました。


すると、この人物は「未経験でも利益を出せるので安心してほしい。私には多くの生徒がいて、100万円以上を稼いだ人も複数いる」などと説明し、投資を勧めてきたということです。


そのうえで、説明どおりに投資すれば確実に利益が得られるとか、「勝率が80%に上がる商材がある」などとうそを言って女性に商材の購入などを持ちかけた疑いがあるということで、話を信じた女性はおよそ90万円を指定された口座に振り込んでだまし取られました。


警察は2つのグループが大阪市内のビルを拠点に被害者とこうしたやり取りを繰り返していた疑いがあるとみて調べています。


拠点ビルで働く会社員“部屋は机のほかに何もない印象”

グループの拠点があった大阪 西区北堀江のビルで働いているという40代の会社員の男性は「会社が同じフロアにあるので、トイレに行く時などに部屋の中が見えることがありましたが、30代かそれより若い男女が10人以上いました。部屋は広いのに、机が少し置いてあるだけでほかに何もない印象だったので、どんな仕事をしているのか不思議に思っていました。グループの拠点だったと聞いて驚きました」と話していました。


会社員「若者たち数十人がビルに出入り」

大阪 中央区のビルで、グループの拠点があったフロアに出入りする人物をたびたび目撃したという60代の会社員の男性は「去年の夏ごろから、学生のように見える若者たち数十人が毎日のようにビルに出入りするようになりました。彼らはふだん、いずれも黒いスエットのような服を着ていて、エレベーターなどで会ってもあいさつどころか、目も合わせようとしませんでした。ここはオフィスなどが入る商業ビルなので若者たちが出入りするのは少し怪しいなと思っていましたが、事件のことを知ってびっくりしました」と話していました。

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