2024年7月11日木曜日

違法な健康食品、5年間で600件近くに行政指導

 「健康食品」なのに医薬品成分が入った違法な商品が、売られ続けている。5年間で600件近い商品が法律に違反するとして、販売中止などの行政指導を受けた。健康被害も報告されている。


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 黒字に金色でハチのイラストが描かれた箱。小さなパウチに蜂蜜のような液体が入っている。滋養強壮や精力増強などをうたい、健康食品として売られていたが、性機能改善薬に使われる成分が医薬品に使える量の倍以上、含まれていた。この成分は、承認薬であっても、飲み合わせによっては血圧が下がりすぎる危険が指摘されており、持病のある人では心筋梗塞(こうそく)などの死亡例も報告されている。


 このケースは昨年、東京都の「試買」と呼ばれる抜き打ち調査で明らかになった。医薬品成分が入っているため、健康食品ではなく無許可・無承認医薬品にあたる。


 都は医薬品医療機器法(薬機法)に違反しているとして、販売した店舗に販売中止と自主回収の指示を出し、公表した。都薬務課によると、同じ商品名とパッケージの商品は2020年にも、別の販売店舗が行政指導を受けていた。海外から個別に仕入れているとみられ、販売が分かった店舗を個別に行政指導する状況が続く。


 薬機法は、医薬品の製造・販売などを規制する法律だ。医薬品を無許可で販売すると、3年以下の懲役か300万円以下の罰金、もしくは両方が罰則として科される。


 薬機法を中心とした違反事例は後を絶たない。国の衛生行政報告例によると、全国の自治体による同様の調査で18~22年度には589件の無許可・無承認医薬品が見つかっている。こうした商品の多くが滋養強壮やダイエットなどをうたう健康食品として売られていた。医薬品では認められていない大量の成分が含まれている危険な違法商品もあり、健康被害が生じるリスクが指摘されている。

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