2015年6月30日火曜日

司法試験合格 年1500人に 政府案、当初目標から半減

政府は21日、司法試験の合格者数を「年間1500人以上」とする検討案を公表した。司法制度改革の一環で「年3千人程度」とする計画を2002年に閣議決定したが、弁護士らの仕事が想定のようには増えなかったことなどから13年に計画を撤回、適正な合格者数の検討を進めていた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H06_R20C15A5MM0000/

http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index1.html


元々、裁判官の数が少なすぎるなどという意見もあった。また、市民一人当たりの弁護士の数が欧米と比較して少なすぎるという意見もあった。

しかし、裁判官は基本的に少数精鋭の集団なので量産は難しい。
また、市民一人当たりのの法律家の数を比較する際、日本は弁護士以外の法律の専門家がいることを無視できない。税理士、司法書士、不動産鑑定士(、行政書士。行政書士を含んでいいのか???www)という具合である。このような隣接士業も含めた広義の法律の専門家を含めて一人あたりの法律の専門家の数を比較した場合、欧米のそれと必ずしも少なすぎるとは言えなくなる。

加えて、弁護士のニーズだが、潜在的市場を当初、過大に見積もっていたという事情はある。企業や地方公共団体において、内部弁護士が必要とされているという読みである。確かにそのようなニーズはないわけではなかったが、実際はそれほど多くなかった。
そのため就職難が生じ、弁護士事務所の経営も怪しくなるという現実が生じている。(それがさらに弁護士の法律サービスの質の低下につながっていく。)

今回の判断はそういった現実を踏まえたものだろう。


ところで、法科大学院(ロースクール)はどうなるのであろうか。当初、毎年3000人合格、合格率7割を謳い、華々しく設立された法科大学院だが、その後、すでに説明した就職難などで、弁護士の成り手(つまり学生)が減り、統廃合する法科大学院も生じている。

合格者を現状よりさらに減少させるとすると、法科大学院の統廃合がさらに加速することになろう。


法科大学院別司法試験合格者データ
http://www.moj.go.jp/content/000126774.pdf
http://www.itojuku.co.jp/joho_center/nyuushi/be/be2014/index.html

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