家賃5000万円のオフィス
菊地氏(エクシアのウェブサイトより)
「華麗なる投資集団」といって良かろう。
オフィスは、東京・港区の地下鉄六本木1丁目駅に直結した超高層「住友不動産六本木グランドタワー」の15階にある。1020坪のワンフロアを借り切り家賃は月約5000万円。インテリアに気を配った豪華オフィスでスタッフが投資家を出迎える。
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経営するのは菊地翔(かける)氏。1977年生まれの「天才トレーダー」でFX(外国為替証拠金取引)では利益率2520%という驚異的なトラックレコードを記録したという“伝説”を持つ。ネットでは1日に数千万円を費やす豪快なキャバクラ遊びが暴露されており、遊びの際は「かけるん」と呼ばれている。居住するのは虎ノ門の高層マンション41階の87㎡。約3億円をキャッシュで購入した。
投資集団の名は「エクシア合同会社」──同社ホームページによれば、累計投資家数は1万1974名で累計出資金額は723億円である。投資ではなく出資となっているのは、顧客である投資家がエクシア合同の社員権を購入する形態となっているためだ。だから配当は社員権持分に応じて行われ、退社時に「持分払戻額」を受け取ることになる。
社員権販売で出資者を募るのはかなりイレギュラーである。近年、投資家保護を名目に金融取引業者の登録・取得は難しくなっており、証券取引等監視員会の監視も厳しい。菊地氏は、その締め付けを嫌って「社員権販売」という形を取った。他に例がないわけではないが、700億円を突破するまでに成長したのは過去に例がない。
その華麗さに今年3月以降、影が差し始めた。5月からは投資家の払戻請求に応じないことが多くなり、訴訟が相次いでいる。また証券監視委は、「合同会社の社員権取得に対する出資と称して、不適切な投資勧誘が行われている」として、6月21日、金融庁設置法第21条に基づく建議を行った。それを受けて内閣府令は改正され、10月3日から業務執行社員以外の従業員が社員権の募集を行う際には、金融商品取引業の登録が必要になった。エクシア合同のビジネスモデルは封じられたわけである。
追い打ちをかけるように、10月26日にエクシア被害対策弁護団のホームページが立ち上がり、広く情報が開示され、依頼受付が行われている。既に、第一次提訴(原告32名、被告エクシア合同)、第二次提訴(原告22名、被告エクシア合同)が行われ、第三次募集に入っている。
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