【台北=杉山祐之】台湾の行政院(内閣)報道官は、台湾が22日、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を正式に申請し、全加盟国に支持を求めたことを明らかにした。
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中国の習近平国家主席(ロイター)
台湾は今年2月、TPPへの参加意向を表明していた。国際社会での活動拡大を図る台湾としては、中国をけん制する狙いもあってTPPへの参加を強く望んできた。
しかし、今月16日、中国政府がTPP参加の正式申請を行ったと発表した。台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権はこれを受けて、正式申請を急いだとみられる。TPPの参加には全加盟国の同意が必要で、先に中国の加盟が実現すれば、台湾の参加は事実上不可能となるからだ。
今後、中台のTPP参加を巡る駆け引きが強まることが予想される。早期加盟の見通しが立っていない中国が台湾の先行参加を阻止するため、加盟各国に対する外交的な働きかけを強める可能性もある。
台湾にとっては、2011年の東日本大震災以来、日本の5県産食品の輸入を禁止している問題の解決が課題となる。TPP参加には解禁が必須とみられているが、台湾では反対論が非常に強い。蔡政権は難しい対応を迫られそうだ。
日本政府関係者は「台湾は(TPP参加国と)普遍的価値を共有している」としたうえで、「台湾はTPP加入に向けて関係法令を整備するなど準備を進めてきており、国有企業への補助金や電子商取引、労働などTPPで定められているルールを巡る問題点はあまりないだろう」との認識を示した。
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