2024年9月4日水曜日

寛一商店株式会社など9社

 「京都」 既報、7月26日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全管理命令を受けていた寛一商店(株)(資本金2000万円、京都府京都市中京区一之船入町537-20FIS御池ビル9階、代表瀬川安紀子氏)とグループ8社は、8月31日に更生手続き開始決定を受けた。


 管財人には保全管理人だった南賢一弁護士<西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2大手門タワー、電話03-6250-7228(事業再生代表番号)>が選任されている。

 寛一商店(株)は、2012年(平成24年)11月に設立された調剤薬局。2014年に「なぎさ薬局」の名称で店舗を開設後、全国の中小規模の調剤薬局を買収して事業を拡大。北海道から九州まで全国一円で50店舗以上の調剤薬局を運営するほか、北海道や富山県などで高齢者を対象とするデイサービス事業なども手がけ、年商は16億円程度で推移していた。

 しかし、大手薬局チェーンを中心に調剤併設型のドラッグストアが台頭するなど調剤薬局が乱立。競争激化に歯止めがかからないなか、薬価引き下げの影響などもあって収益性が悪化していた。また、事業拡大を目的にM&Aを繰り返し、それに伴う金融機関からの借入金負担も重荷となっていた。2020年以降は、新型コロナウイルス感染拡大による各医療施設への受診控えの影響を受け処方箋数が伸び悩み、売り上げが大きく減少していた。2024年に入ってからは、出資企業から追加融資を受けられず、一般個人からの資金調達をせざるを得ない事態に陥り、取引金融機関に対して返済猶予を要請していたものの、同意が得られず資金繰りがひっ迫、業績改善の見通しも立たないため今回の措置となった。

 負債は寛一商店(株)が約52億400万円で、9社合計で約111億5400万円。

 なお、現在も営業を継続しており、今年9月中にはスポンサー候補を確定し、その後速やかにスポンサーへの事業譲渡を実行する予定。

 また、スポンサーに対する事業譲渡までの間における資金繰りの手当てについては、管財人において、株式会社三菱UFJ銀行との間で新規融資(DIPファイナンス)を受けるための当座貸越契約(極度額10億円)を締結し、必要に応じて融資を受けるとともに、従前から行っているファクタリング取引につき、当該取引の相手方から協力を得て、一部調剤報酬債権の早期現金化も行っている。これらにより必要な資金繰りの手当ては整備されている。また、医薬品卸事業者との間では、取引条件に関する協議を重ねており、これを今後さらに改善していくことで、より一層安定した資金繰りの運営を実現するとしている。

 同様の措置となっているグループ企業は以下の通り(カッコ内はTDB企業コード、登記面住所、負債額を記載)。

・アサヒ調剤薬局(株)(080077767、北海道函館市、約29億円)
・(有)ハヤシデラ(550123138、滋賀県東近江市、約6億9000万円)
・ (有)共生商会(120226438、青森県青森市、約2億1000万円)
・(株)ハーベリィ科学研究所(080162071、北海道函館市、約8億5000万円)
・(株)ソフトリー(215034074、新潟県長岡市、約6億2000万円)
・ (有)ライフプランニング(340397474、新潟市中央区、約4億円)
・新潟医薬(株)(773042662、新潟市中央区、約1億6000万円)
・(有)さくら調剤薬局(678011030、新潟市東区、約1億2000万円)

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