サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことに続き、バーレーンとスーダンもイランとの関係を断絶したと発表しました。宗派を巡る対立が中東全体に広がる恐れがあります。なぜ、サウジアラビアに同調する動きが相次いでいるのでしょうか。
(荒木基記者報告)
バーレーンの王家がスンニ派ですが、それに対してシーア派の住民が元々、小規模ながら反王室デモを繰り返していました。バーレーンは「このデモの背景にはイランがいるのではないか」という考え方を元々、持っていました。一方、スーダンは、イエメンの内戦に関わっています。サウジアラビアがイエメンの内戦にも関与していますが、現政権はサウジアラビアに同調する立場を取っています。イエメンの内戦は、サウジアラビアとイランの半ば「代理戦争」のような様相を呈していて、そうしたなかで、スーダンがサウジアラビアに同調するのは、ある意味、当然の結果になっているといえます。
(Q.この対立の激化は、今後、どう影響していくのか?)
現在の中東では、欧米とイランの核協議が一定の成果を得たことで、イランの存在感、国際社会で発言権を増しつつあります。つまり、イラン=シーア派勢力が中東で存在感を徐々に増しつつある一方で、スンニ派の盟主たるサウジアラビアが「焦り」を感じているという状況です。実際、イランとサウジアラビアは、様々な場面でお互いに主導権争いをしていて、それが目に見える形で出始めています。こうした対立が今後、中東諸国のあちこちで広がっていく可能性は十分にあります。中東地域の様々な問題、シリアの問題やイエメンの内戦、さらにはイスラム国への対応が今後、色々な局面で中東各国が仲間割れのように反目し合っていく、こうした悪影響が今後も考えられそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20160105-00000037-ann-int
0 件のコメント:
コメントを投稿