2024年5月30日木曜日

弁護士法違反、非弁提携、ロマンス詐欺、大阪地検特捜部、G&C債権回収法律事務所、川口正輝、弁護士名義貸し、二次被害、逮捕、大阪弁護士会

 大阪地方検察庁特別捜査部は、「G&C債権回収法律事務所」(大阪市北区)の弁護士、川口正輝(まさき)容疑者(38歳)らに対して、弁護士法違反の容疑で刑事責任を追及する方針を固めました。川口弁護士は、ロマンス詐欺の被害金を回収するとうたって広告会社に自身の弁護士名義を貸し、法律事務を行わせていた疑いが強まったためです。

川口弁護士に関しては、大阪弁護士会が昨年12月に弁護士法違反の疑いがあるとして懲戒請求を公表しており、その後、大阪弁護士会の相談を受けた特捜部が今年2月に法律事務所などを捜索していました。

関係者によると、川口弁護士は2022年以降、広告会社の代表者らに自身の弁護士名義を貸し、複数の詐欺被害者の相談に対応させた疑いが持たれています。弁護士法は、弁護士が無資格者に名義を貸す行為(非弁提携)や、弁護士資格を持たない者が報酬目的で法律事務を行う行為(非弁活動)を禁じています。詐欺の被害金回収は法律事務に該当します。

川口弁護士は、恋愛感情を利用して金銭を詐取するロマンス詐欺の被害金回収を請け負う専用サイトを開設し、被害者からの相談を電話やLINEで募っていました。しかし、実際の相談対応は広告会社から派遣された関東地方で勤務する事務員が担当しており、川口弁護士は被害者との面談や十分な説明を行っていなかったとされています。

大阪弁護士会の調査に対し、川口弁護士が提出した依頼者のリストによれば、2022年8月から2023年11月にかけて約1800人から依頼を受けており、着手金は1件あたり20万円から300万円で、総額は9億円を超えていました。川口弁護士は「着手金の大半は広告会社に渡していた」と述べており、実際に被害金を回収できたのは10人程度だったと明かしました。

川口弁護士は今年2月に読売新聞の取材に対し、「大阪弁護士会の懲戒請求には異論がある。非弁提携についても否定している」と述べていました。

ロマンス詐欺は、外国人になりすました相手とSNSなどで連絡を取り、一度も会わないままだまされるケースが多く見られます。このため、実際に被害金を回収できる確率は非常に低く、弁護士に着手金を支払ったにもかかわらず被害金が戻らない「二次被害」が問題となっています。

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