米財務省外国資産管理局(OFAC)は5月6日(現地時間)、仮想通貨の匿名性を高めるいわゆる「ミキシング」サービスを提供するBlender.ioに制裁措置を発令したと発表した。北朝鮮政府支援のハッカーに盗まれた資金の洗浄(ロンダリング)に使われたため。仮想通貨ミキサー企業に制裁を科すのはこれが初。
OFACによると、3月末にNFTゲーム「Axie Infinity」のサイドチェーン「Ronin」から盗まれた6億ドル相当のイーサリアムのミキシングにBlender.ioが使われたという。米連邦捜査局(FBI)は4月、Roninに侵入したのは北朝鮮を拠点とするハッカー集団Lazarus GroupおよびAPT38だと特定したと発表した。
OFACは「違法取引を支援する仮想通貨ミキサーは、国家安全保障上の利益に脅威をもたらす。われわれは北朝鮮による違法な金融活動に対して行動を起こしており、国家支援の泥棒とその泥棒のマネーロンダリングを助ける企業を野放しにはしない」と語った。
Blender.ioは、ビットコインブロックチェーン上で動作する仮想通貨ミキサー。発信元、宛先、カウンターパーティを不明瞭にすることで、違法取引を無差別に促進するとOFACは説明する。「ほとんどの仮想通貨活動は合法だが、ミキサー、P2P交換機、ダークネットマーケット、取引所を通じて、制裁回避などの違法な活動に使われる可能性がある」。
OFACはまた、Lazarus Groupがマネーロンダリングのために使った仮想通貨ウォレットアドレスを特定したことも発表した。OFACはこれらのアドレスもブロックするとしている。
本稿執筆現在、Blender.ioのWebサイトはアクセスできなくなっている。
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