警視庁公安部が長きにわたる監視の末に作成した統一教会に関する「捜査ファイル」。この極秘文書を精査すると、統一教会に関連する企業や店、医療機関、果ては信者の集団居住地までもがズラリ列記されている。それらは町に溶け込み、教団との接点が地域住民に知られていない例も……。謎の実態に迫るべく、現地へ足を運んだ。
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まずは、不特定多数の人に利用される可能性がもっとも高い、病院から。
そこは東京都心からさほど離れていない下町。鉄道駅から徒歩数分の、喧騒が支配する場所にその病院はある。上品なタイル貼り、地上5階建ての外観を見る限り、教団との関係を示すものは一切なく、絶え間なく老若男女が出入りする。
古くから住む人によると、
「その昔、桜田淳子さんが合同結婚式の件でマスコミに騒がれた時、入院という名目でしばらくあそこに逃げ込んだんです。すると連日、マスコミが周囲を張り込むようになりましてね。すぐに“あの病院は統一教会がやっている”とささやかれるようになりました」
でも、と続けて、
「それはもう30年ほども前のこと。今や患者さんの多くは統一教会との関係など知らずに利用していると思いますね」
トラブルは起きていないのか
目指すは地上天国の実現だとか
全国霊感商法対策弁護士連絡会に所属する山口広弁護士に聞いたところ、
「そこは医師や看護師はもちろん、その他のスタッフたちも信者であると有名です。つまり、統一教会系の病院だといえるでしょう」
捜査ファイルにも職員が合同結婚式を挙げているとの記載がある。
果たして勧誘などのトラブルは起きていないのか。
先の住人いわく、
「うちは病院が建つ前からここにいて、町内会にも携わってきましたが、トラブルは聞いたことがない。特に宗教色を出してくることもありませんでしたからね。数年前、親戚が入院した際だって勧誘などはされなかったと。むしろこの辺では、親身になってくれるいい病院だという評判もあるほどです。ただ、30年以上前にはやっぱりおかしなところがありました。1階の売店でパンや飲み物、タオル、おむつなどの日用品に交じって、高そうな壺が売られてたんです。商品の棚に一列だけ壺が並ぶ異様な光景に“なるほど”と思ったのを憶えています」
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