日本の政策立案を担う人材を養成するため、主に社会人を対象とした国立の大学院大学、政策研究大学院大(東京都港区)でシステム障害があり、今年9月初旬以降、学内システムのインターネット接続を停止している。読者からの投稿フォーム「つながる毎日新聞」に寄せられた情報を基にした取材で21日、大学側が認めた。同大で調査しているが、原因は解明されておらず、復旧のめども立っていない。
同大は、政治学者の北岡伸一氏、外務省出身で内閣官房副長官補を務めた兼原信克氏、国際政治学者の田中明彦氏らが客員教授を務めている。学内外からは「国立大学がサイバー攻撃に弱くて、日本の防衛は大丈夫なのかと心配になる」「(ネットが使えないため)学生が大変苦労している」などの声が上がっている。
大学の組織マネジメント課によると、8月下旬に一部のサーバーに不審な通信ログが確認された。調査のため9月初旬に学内のネット接続を停止したという。
9月末にメールなど一部の業務システムは復旧したが、それ以外のネット機能は現在も回復していない。このため学内とは別回線のネット接続を経由してオンライン講義や会議を実施しているという。組織マネジメント課は「一部制約はあるものの、業務に最低限必要な環境は維持している」と説明している。
しかし、主に留学生を対象にした入学出願手続きはオンラインではできなくなった。「手続きや方法を変更して対応している」(組織マネジメント課)という。
政策研究大学院大は1997年に開学した。学生数は今年5月1日現在で363人。【野口麗子】
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