リニア中央新幹線の建設計画が宙に浮いている。静岡県の川勝平太知事とJR東海の金子慎社長は26日に初のトップ会談を開いたが、環境問題をめぐる対立は打開の糸口が見えないまま。2027年の開業は延期の瀬戸際に追い込まれた。
【図解】リニア中央新幹線のルートと南アルプストンネルの着工状況
最大の争点は3000メートル級の山脈を貫く南アルプストンネルの静岡工区の工事だ。県は掘削工事の過程で大量の湧き水があふれ出て、県民の生活用水や農業などに使われる大井川の流量が低下すると主張している。
JR側はこれまで、湧き水をポンプなどで大井川に戻す案を示したが地元の納得を得られていない。この日の会談でも川勝知事は「大井川の水は(周辺住民)60万人の命の水だ」と力説し、一歩も引かない姿勢を示した。
リニアのルートのうち9割弱はトンネルが占める。県は14年、工事が生態系などに与える影響を監視する専門家会議を設置した。ただJR東海が示した環境対策は「科学的データに乏しい」として受け入れられず、5年以上堂々巡りが続く。
事態の打開に向け国も動きだしている。国土交通省の旗振りで組織された有識者会議では、今年4月下旬の初会合で金子社長が「あまりに高い要求を課している」と県を批判して猛反発を受け、発言を撤回・謝罪する一幕もあった。
地元関係者は準備工事再開を認めれば「JRはなし崩し的に本体工事に入るのでは」などと不信感をあらわにする。26日の会談で金子社長はなし崩しにトンネル工事に入るつもりはないと理解を求めたが、知事が首を縦に振ることはなかった。
リニアは東京―名古屋間で1都6県を通過し、中間駅が設置されないのは静岡のみ。開業しても地元にとって「何のメリットもない」(川勝知事)という不満があるのも事実だ。
川勝知事は来年7月に任期満了を迎える。方針を転換して工事再開を受け入れるには、県民が納得できる理由が欠かせない。環境への配慮など県民を説得できる新たな材料をJR側が示さない限り、リニアは立ち往生が続く公算が大きい。
誰も行く予定がない単なる通過点の静岡がなんか言っております。
静岡を省略するためのリニアモーターカーなのに、静岡が大きな発言するとか、おかしくない?
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