2022年7月17日日曜日

ベトナム 犯罪 増加 通訳

 警察官が容疑者に対して行う取り調べ。両者が対峙(たいじ)するドラマのワンシーンを思い浮かべる人も多いだろうが、日本語を理解できない外国人が容疑者の場合、通訳の同席が不可欠だ。通訳業務は警察官や警察職員のほか、依頼を受けた民間の通訳が担うが、外国人犯罪の増加に伴い、慢性的な人手不足に直面している。特に顕著なのがベトナム語。ベトナム人による犯罪の摘発件数がこの5年で約2倍と急増する中、ベトナム語を専門に学ぶ人は少なく、人材確保が急務となっている。


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■深夜3時に呼び出しも


「最近はほぼ毎日、取り調べに立ち会っている。通訳ができる人がおらず、深夜3時に呼び出されることもある」。大阪府警や兵庫県警の取り調べでベトナム語の「部外通訳人」を務める女性(49)はこう明かす。女性は10年近く前から捜査に協力しているが、近年は回数が急増。月に20回以上取り調べに立ち会うこともあるという。


捜査で必要な通訳や翻訳は語学を学んだ警察官や警察職員だけでは足りず、多くの都道府県警で「部外通訳人」と呼ばれる民間の通訳から協力を得ている。報酬も支払われ、警察内部の通訳と分担して取り調べの立ち会いや資料の翻訳などを担う。


通訳が必要な外国人犯罪の増加に伴い、人手不足が問題となっているが、特に深刻なのがベトナム語の通訳だ。大阪府警通訳センターによると、同センターでのベトナム語の通訳対応件数は昨年だけで約1200件。1日平均2~3件にのぼり、前年と比べても100件近く増えている。


しかし、府警がベトナム語の通訳人として指定している職員は10人程度で、対応できない分は部外通訳人に依頼。複数の事件を同時に担当し、警察署を転々としながら連日取り調べに立ち会う部外通訳人も珍しくない。本来は警察内部の通訳不足を補うはずの部外通訳人さえ不足している状態だ。


■通訳にも訳せない?


背景にあるのは、ベトナム人が関連する犯罪の急増だ。警察庁の統計によると、令和2年のベトナム人の摘発件数は7029件で5年前の平成27年と比べると約3400件も増加。容疑者数で比較しても、2099人から4333人と2倍以上になっている。


ベトナム語は英語や中国語に比べて大学で学ぶ人が少なく、習得に時間がかかることも壁となっている。神戸大大学院の斉藤善久准教授(アジア労働法)は「方言や省略語もあり、ベトナム語をしっかり学んでも訳しきれない言葉が多い」と指摘する。


押収した捜査資料の翻訳も通訳の仕事だが、ベトナム人が犯罪に利用する交流サイト(SNS)では、若者言葉や隠語が頻繁に飛び交う。若者の間で新たな言葉が次々と生まれ、すぐに死語となるのは日本語と同じで、経験豊富な通訳人でも理解できない言葉があるという。


■人材確保にあの手この手


頭を抱える各地の警察は、人材確保に向けた取り組みを進めている。ベトナム語通訳の職員がわずか3人の富山県警は、平成31年4月から語学研修制度の対象にベトナム語を追加。愛知県警ではベトナム語を習得している人材の採用枠を28年度に導入した。ただ、この制度での合格者はまだ出ておらず、人材確保が思うように進むかは不透明だ。


高まるニーズに応えようと、東京外国語大と青山学院大は、31年4月から共同でベトナム語などの通訳技法を学ぶ「司法通訳養成講座」を開講。カリキュラムに取り調べや容疑者との接見を想定した演習も組み込むなど育成に向けたアプローチを試みている。


そうした中、通訳不足解消に向けて鍵を握ると期待されているのが、日本で生活するベトナム人だ。容疑者らが使うベトナム語は日々変化している半面、取り調べに使う日本語は、専門用語こそあるが、基本を大きく逸脱することはない。そのためベトナム語を母語としSNSも日常的に使いながら、日本語で生活する彼らはうってつけの存在といえる。


部外通訳人は国籍を日本に限っているわけではなく、実際にすでに部外通訳人を務める外国人も多い。在留外国人統計によると、日本国内で生活するベトナム人は令和2年末時点で約45万人に上る。斉藤氏は「方言や若者言葉などに対応するためにも、容疑者と年齢や境遇が近いベトナム人に通訳を依頼することが望ましい。今まで以上にベトナム人の力を借りることが必要になる」と話している。(宇山友明)

安倍晋三 死亡 山上徹也 世界平和統一家庭連合 旧統一教会 カルト 献金 1億円 自己破産 海上自衛隊 自殺

 「旧統一教会というのは単なる宗教団体ではなく、政治的側面が非常に強固な団体でもある。その側面をこの機会に明らかにすることなく、“また忘れちゃったね”ということにしてはいけない、そういう思いだ」。


【映像】「“エバ国”日本が資金調達し“アダム国”韓国に捧げる」…それでも続いた自民党“保守政治家”との関係


 そう話すのは、ジャーナリストとしてオウム真理教などの問題を40年以上にわたり取材してきた有田芳生参議院議員だ。安倍元総理への銃撃事件が起きて以来、様々なメディアの取材に応じ、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる“空白の30年”に警鐘を鳴らしている。


80~90年代に報じられていた事件


 「有名歌手やスポーツ選手が合同結婚式に参加した1992年ごろ、各局は一大キャンペーン報道を張った。ワイドショーも含め朝から晩まで霊感商法などの旧統一教会の問題を取り上げた。しかしそれ以降、“空白の30年”が生じてしまった。1995年に地下鉄サリン事件が起きてからは、カルトといえばオウム真理教、ということになっていった。


 今日は他のテレビ局からも取材を受けたが、“あの時に何歳だった?”と尋ねると、“3歳”と言われた。当時のことを知っているはずがない。他にも色々と取材が来るが、やっぱり一から説明しなきゃダメで、“もうちょっと勉強してくれよ”と思ってしまう。しかしテレビ局で報道をやっている人たちでさえ知らなかったと言うぐらいだから、世間一般で知っている若い人はもっと少ないと思う」。


 15日の『ABEMA Prime』では、そんな有田議員に、改めて旧統一教会の問題点、そして政治とのつながりについて話を聞いた。


■「山上容疑者の家族の話も、旧統一教会が抱える問題の一部」

旧統一教会をめぐるトラブル


 山上容疑者の母親は旧統一教会への入会後、生命保険金や土地など1億円近い献金をして自己破産したと報じられている。また、15日に報道各社の取材に応じた山上容疑者の伯父は、山上容疑者が海上自衛隊時代、生活に困窮する兄と妹に自分の死亡保険金を渡そうと自殺未遂をしていたことを明かした上で、「(今回の事件を受けても)母親は何も思わないだろう。思うんだったら、脱退している」と話している。

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